2014年8月22日金曜日

国民の願いを胸に



  「したいようにしなさい」
     参院議員  大門実紀史


 中学3年生の夏休み、東京にいる兄に勉強を教えてもら
おうと京都から夜行バスに乗りました。
ところが朝、兄のアパートに着くと、「みきし、ゴメン。
新婚旅行の続きに行く」との張り紙が。
兄は京都の国立大学を卒業し大企業に就職、友人の妹さんと
結婚したばかりでした。
 新婚家庭に押しかけた私も私ですが、弟が来るとわかって
いながら居なくなる兄も兄です。
いくら勉強して有名大学に入っても兄のような冷たい人間になっては
おしまいだと思うと、受験勉強にたいする意欲もなくなりました。
 手元には母にもらった6千円がありました。 当時は、ヒッチハイクが大ブーム。
寝袋を買った残りのお金でどこまで行けるか試してみようと国道4号を北に向かって
出発しました。
次から次と車に乗せてもらい、3日後には津軽海峡をフェリーで渡り北海道に上陸。
食事をごちそうになったり泊めてもらったり、たくさんの方々のお世話になりながら、
2週間かけて道内一周しました。
 中学生というと家出と間違われるといけないので高校生で通してきましたが、
函館で乗せてくれたトラックの運転手さんが不審に思い警察に通報。
青森港で補導されてしまいました。
警察の人が母の勤め先に電話すると、母は「そんな遠いところにいるんですか」と
驚きながらも、「本人のしたいようにさせてください」といってくれました。
 あれから40年以上が過ぎ、母も亡くなりましたが、あの時の「したいように
しなさい」という母の言葉がいまも私の応援歌になっています。